検証的不可解

2016年11月17日 返品されたペダルの不良原因?



「如何ともしがたい私です」

今日は時間が出来たので、やろうと思ってずっと放っておいた作業を一気に片付けてみました。その作業とは「初期不良として返品されたペダルの検証」です。自分自身の手で作り上げて、出荷直前に厳密に作動確認を行ってから発送するのですが、年に何度かこのようなクレームがつくことがあります。

多くの場合は、フットスイッチの初期不良が原因ですので、フットスイッチを交換すればほぼ対応できます。たまに、ボリュームポットの不良というのもあります。完成時にはまともに作動していたのですが、ユーザーが使用を始めて1週間程度で不調をきたしたというケースも何度かありました。これらのフットスイッチやボリュームポットの初期不良は事前予測は不可能で、製作する側としては出荷以前のチェックでクリアしているのでなんとも言い難く、淡々とパーツ交換するしか対処方法がありません。

他には「しばらく使っていたら作動しなくなった!スイッチを入れてもLEDが点灯しない!」というクレームだったので「電池を交換してください」と伝えたら「正常に作動しました!」と返答が有ったことも。電池を取り替えてみるという発想がないというのも凄いなあ・・・と思ったりして。

他にも、ユーザーの電源アダプタが不良品だったと後で分かったり・・・近所にラジオ局があり、その強力な電波をシールドが拾ってノイズを出していたケースが有ったりと、まあいろんなことが起こるのですよ。ラジオ局の場合は、その後ペダルボードの繋ぎ変えで回避できたと報告が有って一安心しましたがね。

そんな中で今年の春以降に返品されたペダルが数個ありました。どのように不良なのかすぐに知るべきでしたが、まずは新品を作ってユーザーに代替品を渡すのが先だと動いたので、原因追求になかなか食指が動かず放置状態でした。そこで本日、一気にチェックと修理を施そうと立ち上がりました。

対象となるのは4個。弾禅駆動 2台、弾駆動 1台、禅駆動 1台です。ところが・・・ところが・・・。試奏してみてビックリです!3台が正常に動くのです。なんで?なんで?なんで?かといって、クレームが付いた個体である以上はユーザーが何らかの違和感を感じたはずですが・・・。チェックすると違和感がありません。こりゃ困った!

弾禅駆動の1台は「半年使っていたら弾駆動側の音が異常に小さくなった」と言われたので、明らかにパーツの故障だと思っていました。確認のため、今までの経験から最初にJALIポットの端子を見たところ、1か所が正常位置から少し動いていました。誰が動かしたんでしょ?元の位置へと端子を戻したところで正常作動に戻りました。その端子を再ハンダして修理完了です。ほぼ3分の作業でした。

正常に作動した3台も、念のためにこのあたりを再ハンダしておいたほうがいいんじゃないか?と思える部分に手を加えておきました。その結果、当たり前ですが4台共に元気に正常作動しています。これらの個体は、新品として販売するわけにも行かず、かと言って中古として扱うのも不憫ですなあ。どうしたらいいんでしょうね?

じつは、このように意味の分からないクレームで返品されたペダルが当家には他にもあります。バージョンが古いので検証するのも面倒で放おってある個体もありましてね。さらには、使用し始めて初日にTOP面を汚してしまったのでTOP面を交換してほしいという無茶なのもありました。まあ・・・こちらの善意で新しいペダルと交換しましたがね。

とは言え、正常作動品が何故このような事態になって返品されたのか?その原因を探ろうとしても、相手の使用環境がわからないので・・・如何ともしがたい私です。現時点で、修理したり整備し直したりした10台以上の正常作動品が室内に転がっております。


追伸
その後、禅駆動、弾駆動 一台ずつは行き先が決まりました。お騒がせいたしました。



本日の結論
Appleだと整備品として堂々と販売してますが、どうもその気にならず。

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